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「泥かき」に行ってきました。

  東日本大震災が起きた2011年の夏。やはり磐田市が募った被災地・岩手県山田町への4泊5日のボランティアツアーに参加して以来、12年ぶり。当時より体力も衰え、老骨にムチ打っての思いでしたが、いよいよ身近に迫る自然災害の現場を一目でも、と思い直して、古びたゴム長にヘルメット、さびたスコップのにわか支度で見付から車を走らせました。

 堤防が決壊した敷地川が近くを流れる豊岡東交流センターから歩いて3分のその民家では、泥まみれの家具類が散乱した玄関前の壁に、23日夜半に襲った洪水の跡が高さ1・5mほどの浸水深を示す線になって残り、想像を絶する水の勢いに息をのむ思いでした。水が引いた後、敷地内を覆いつくしたという汚泥は前日に入ったボランティアの手で大半かき出されてはいましたが、もう元の生活には戻れそうもないという家主の高齢夫妻は、がれきの山を前にため息をつくばかりでした。

 

 「川の上流の山の倒木がひどい。今度大雨が降ったら、あの倒木が川から押し寄せてくる」。天気予報ではまた、台風18号が発生したそう。現地で偶然会った地元の議員がそう不安を口にしていたのも、少し気がかりでした。

 

※写真は、激流に川底をさらわれ、橋脚の沈下とともに崩れた橋=豊岡東交流センター近くの敷地川で