「立ち入り禁止」と書かれた看板越しに見るその光景は、これまでも気になって犬の散歩がてらに何度かのぞきに来た時と少しも変わっていませんでした。
国1バイパス見付インターのすぐ南、主要地方道磐田インター線を東へ折れた「柴田山遊水地」入り口の鉄格子の向こうには、雑草や雑木が大人の背丈の倍以上にも伸びて一面に生い茂り、ジャングルという言葉以外に適当な表現が見つかりません。
県道を行きかう車の喧騒から、一歩脇へ入っただけの「遊水池」の、まるで別世界のような人の気配のない静けさと、人の手が入らず、目も届かない荒れ地が広がる、“都市の死角”とも言えそうな不安。
「山もないのに、なぜ地図には柴田山?」「どうしていつまでもジャングルのまま…」。二十数年前、遊水池から徒歩3分という目と鼻の先にある団地の一角に住みついた私は、このことをずっと疑問に思ってきました。
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